みどりの旅路

実務と研究から自然と文化をたどる共生論・多様性論

庭先にある巨樹 巨木の郷で巨木フォーラム in 青森・階上大会2023

皆さま、大変ご無沙汰しています。

多くの方々にご訪問いただいたにもかかわらず、こちらからの訪問が滞り失礼いたしました。

 

いよいよ大晦日

年が明けないうちにアップしておかなければならないのが、本年10月7日に青森県階上町で開催された「第34回巨木を語ろう全国フォーラム青森・階上大会」だ。

巨木を語ろう全国フォーラム(巨木フォーラム)は、環境庁(当時)が全国の巨樹・巨木林調査を実施した1988年に、兵庫県柏原町(現、丹波市)で初めて開催された。
それ以来、コロナで休止の年はあったものの毎年開催され、本年で34回目となった。

階上町での開催は、東日本大震災から10年目の2021年に震災復興記念大会として開催される予定だったが、コロナ禍により延期せざるを得なかったものだ。

しかし本年は、三陸復興国立公園が指定されて10周年でもある。
階上町内の階上岳や階上海岸は、隣接する蕪島や種差海岸(ともに八戸市)などとともに三陸復興国立公園の核となった陸中海岸国立公園編入されて新国立公園として指定された。
震災復興事業として整備された「みちのく潮風トレイル」も町内を通過し、階上岳は枝線の起終点でもある。

会場のハートフルプラザ・はしかみ

フォーラムは、地元の道仏神楽(どうぶつかぐら)のオープニングアトラクションに続いて主催者挨拶や祝辞が述べられた。私もフォーラム共催者である「全国巨樹・巨木林の会」会長として挨拶した。

オープニングの道仏神楽

その後は、東京大学・山本清瀧准教授により「巨樹・巨木が支える風景の継承と地域の誇りの醸成」と題した基調講演が行われた。

そして、地元の巨樹関係者によるパネルディスカッション「階上の巨木・海・里山の魅力を未来につなぐ」、緑の少年団による大会宣言と続いた。

 

緑の少年団による大会宣言

最後は、第1回大会から引き継がれている大会旗が次回開催地の福井県大野市長に引き継がれて閉会となった。

大会旗の引継ぎ

フォーラム終了後は、恒例の交流会。
全国各地から参加したおよそ100名の全国巨樹・巨木林の会会員にとっては、1年ぶりに旧知の会員と顔を合わせる同窓会のようなもので、活動状況や思い出話に花が咲いた。そして地元の方々との交歓も熱心に行われ、巨樹をめぐる情報交換の輪が広がった。
歓迎アトラクションとして、伝統芸能の田代えんぶりが披露された。

伝統芸の田代えんぶりの披露

翌日10月8日は、これも恒例となっている巨木を巡るツアー(エクスカーション)が催された。

快晴に恵まれ、地元の「階上売り込み隊」会員や緑の少年団による解説などを聞きながら、3コースに分かれて町内の巨木を観察した。
階上町内では、神社・仏閣だけではなく、民家の庭先にバラエティーに富んだ巨樹が生育しているのが特徴だ。

町では、「巨木の郷」として巨木巡りお薦めコースを定めて案内標識や解説板を整備したり、巨木・古木案内のパンフレットを作成している。
また、階上売り込み隊有志ボランティアによる巨木解説ツアーも実施されている。

(ご紹介はまた後日)

巨木観察エクスカーション

それでは皆さま、良いお年をお迎えください。