みどりの旅路

実務と研究から自然と文化をたどる共生論・多様性論

究極のエゴサ!? 生成AIに尋ねてみた

不定期の当ブログへご訪問いただき、ありがとうございます。
その上、皆さまの更新ブログへは、なかなか訪問できず失礼しています。

 

このところ(というかずっと前から?)半導体などAI関連株価の上昇やアンソロピック社のミュトス5・フェイブル5の提供中止など、AI関連の話題には事欠かない。

先日のプロ野球巨人軍の阿部元監督が娘さんに暴行して監督を辞任した件でも、娘さんが対応の仕方をチャットGPTに尋ねたのがその発端とか(いや、本当の発端は、そもそも阿部氏が娘さんに暴力を振るったことだけどね)。

 

ところで、私はエゴサ(エゴサーチ)などという言葉があるのも知らず、拙著の書評を知りたくて、Googleで検索した結果を貼り付けて、まとめてブログにアップしたことがある。

それがこちら! 

 

bio-journey.hatenablog.com

 

ところが、今や書評も生成AIに尋くことができる。
その結果がこちら!!

 

まずは、GoogleのAIによる概要

高橋進著『生物多様性を問いなおす ――世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)は、単なる環境保全の枠を超え、歴史的・グローバルな視点から「自然と人間の関係」を根本から見つめ直す名著です。

本書の主なポイントと評価は以下の通りです。

・歴史的な収奪構造の告発
大航海時代以降の帝国主義や植民地支配が、いかに現地の生物資源を搾取してきたかを詳述。現代のグローバル経済や先進国・多国籍企業による熱帯林の破壊など、南北問題の構図を浮き彫りにしています。

・人間中心主義からの脱却
「人類が絶滅しないための生存基盤」として自然を守るという人間至上主義( anthropocentrism )を批判。自然を支配・管理する対象ではなく、敬意を払い共存する姿勢の重要性を説いています。

・提示される「三つの共生」
SDGsの理念を土台にしつつ、将来世代に引き継ぐべき「世界との共生」「自然との共生」「未来との共生」という持続可能な社会のための具体的な構図を提案しています。

【こんな方におすすめ】

・SDGsの「その先」にある本質的な課題について理解を深めたい方

・先進国の豊かな生活が、途上国や自然環境にどのような負荷をかけているのか俯瞰したい方

・人間以外の生命(生態系)との真の共生について倫理的な観点から考えたい方

 

次が、Google検索のAIモード

高橋進氏による新書『生物多様性を問いなおす ――世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書、2021年)の書評をお届けします。

人間至上主義の限界を撃つ――「利潤」から「共生」への転換点
昨今、環境問題やSDGsの文脈で「生物多様性」という言葉を耳にしない日はありません。しかし、私たちはその真の意味をどれほど理解しているでしょうか。単に「絶滅危惧種を守ろう」「自然の恵み(生態系サービス)を維持しよう」という、人間側の都合に終始してはいないでしょうか。

本書『生物多様性を問いなおす』は、そうした人間至上主義的・経済最優先の視座を鮮やかに解体し、地球規模の歴史と構造から生物多様性の本質を炙り出す、極めて重厚な一冊です。

本書の革新性:3つの価値観と見えざる「略奪」の構造
著者は、生物多様性を以下の3つの多角的なアプローチで定義します。

1. 経済的な利便性をもたらす「生物資源」
2. 人類が生き延びるための「生存基盤」
3. 利益の独占を排し、誰もが享受すべき「地球公共財」

特にスリリングなのは、第1章から第2章にかけて展開される「生物多様性の損失を招いた歴史的構造」の分析です。著者は、大航海時代以降の植民地主義から現代のグローバル企業によるバイオテクノロジー戦略までを一本の線でつなぎます。先進国が途上国の豊かな自然を「生物資源」として都合よく収奪・独占してきた「南北問題」の構図を浮き彫りにするのです。 

さらに、環境保護の象徴である「国立公園」の設立でさえ、裏を返せばその土地に暮らす先住民を排除し、地域社会との軋轢を生んできたという歴史の皮肉(陰影)をも容赦なく提示します。

単なる「自然保護の推奨」に留まらない深い問い
私たちが日常で消費する熱帯林由来の製品や現代の快適な生活が、いかに遠く離れた地域の生態系を蝕んでいるか。本書を読むと、環境問題が単純な「優しさ」だけで解決できるものではなく、根深い経済格差や構造的不平等の問題と直結していることに気づかされます。

著者は終章において、利益第一主義を脱却し、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」(世界との共生、自然との共生、未来との共生)を提起します。それは単に自然を支配したり保護したりする対象として見るのではなく、人為と自然の調和、すなわち「相利共生」の関係を再構築せよという、現代社会への強い警告でもあります。

総評:世界の解像度を変える、新時代の必読書
「生物多様性」という使い古された標語の裏にある、人間の傲慢さと略奪の歴史。本書は、新型コロナウイルスのパンデミックや気候変動など、予測困難な時代を生きる私たちに「真の持続可能性とは何か」を深く問いかけます。

文章は非常に平易かつ論理的で、各章の繋がりも親切にナビゲートされているため、入門書としても最適です。読み終えたとき、目の前にある自然や、スーパーに並ぶ食材、そして私たちが目指すべきSDGsへの視線は、確実に変わっているはずです。

 

ずいぶんとヨイショしてくれて、なんだか、こそばゆい気持ちだ。

 

調子に乗って、ChatGPTにも尋ねてみた!

まずは概要

ざっくり言うと、この本の評判は「公開レビュー数は多くないが、出ている感想はかなり好意的」です。『生物多様性を問いなおす』は筑摩書房のちくま新書として2021年1月に刊行された288頁の本で、生物多様性を単なる自然保護ではなく、植民地支配と生物資源の収奪、先住民との軋轢、倫理、SDGs、将来世代への継承まで含めて考える内容です。

好評の中心は、「生物多様性」を自然科学の話だけでなく、国際政治、南北問題、先住民の権利、倫理までつなげて整理している点です。noteの書評では、植民地支配からSDGsまでの議論がわかりやすく整理され、政治的利害や宗教観念が交錯する現場の葛藤にも触れている点が評価されていました。別の読書ブログでも、強国による略奪と支配、国立公園と先住民、人類と自然の共生可能性まで学べる本として受け止められています。

一方で、軽い読み物ではなく、やや学術寄りという見方もあります。ブクログには「よくまとまっているが気楽に読める本ではない」という趣旨の感想があり、森林・環境共生学の三木敦朗氏も、生物多様性の国際的理解を具体例豊富にわかりやすく示す点は評価しつつ、内容はやや物足りず、日本国内の事例にももっと踏み込んでほしかったと述べています。

公開レビュー全体を総合すると、この本の評判は「生物多様性を歴史・政治・倫理から考えたい人には評価が高い。ただし、気軽な入門読み物としては少し硬め」という感じです。


もう少し詳しい書評を尋ねると

公開情報ベースで言うと、かなり好意的に受け取られている本です。ただし、評価の中心は大手メディアの大量書評ではなく、読者レビューや書店サイト上の感想で、母数はそこまで大きくありません。 

好評の理由は、生物多様性を自然保護だけの話にせず、植民地主義、先進国と途上国の対立、地域社会、観光、倫理、SDGsまでつないで俯瞰している点です。出版社の紹介でも、本書は「生物資源」「人類の生存基盤」「地球公共財」という観点から考え、「三つの共生」を提起する本とされ、レビューでも「歴史的・地理的に俯瞰的」「具体例が多くてわかりやすい」「入門書として網羅的」といった評価が目立ちます。 

一方で、少数の感想には、2021年刊なので新味はやや薄いとか、索引があればもっと使いやすいといった留保もあります。なので、評価を一言でまとめるなら、「専門研究書の決定版」というより、生物多様性を政策・歴史・国際関係まで含めて広く学ぶための良質な入門新書、という位置づけがいちばん近いです。これは公開レビューの傾向からの私の要約です。 

補足すると、著者は環境庁で国立公園管理や生物多様性政策に携わり、生物多様性条約第1回締約国会議にも政府代表として参加した経歴があり、その実務経験が本書の強みとして読まれている面があります。著者ブログでは、『週刊エコノミスト』で調査の細かさがおもしろいと評されたことや、入試問題に採用されたことも紹介されていますが、ここは著者自身による紹介なので、補助情報として見るのが妥当です。 

読むか迷っているなら、環境問題を「自然保護」だけでなく、国際政治や南北問題まで含めて考えたい人には向いている本です。逆に、最新のTNFDや30by30の実務論だけを知りたいなら、やや射程が広く、少し回り道に感じるかもしれません。

公開されている内容紹介と目次からまとめると、この本は生物多様性を「自然保護」だけの話としてではなく、資源の利用、人間の生存基盤、さらにそれらを含む「地球公共財」の問題として捉え直す本です。大航海時代以降の植民地支配から、現代のグローバル企業やバイオテクノロジーまでを視野に入れ、生物資源をめぐる収奪・独占と、それに対する抵抗や対立の歴史をたどります。 

章ごとに見ると、第1章は植民地と生物資源、熱帯林破壊、先進国・グローバル企業と途上国の対立を扱い、生物多様性の問題の背後にある歴史的・経済的な構図を描きます。第2章は、自然保護や観光の現場で、先住民や地域社会がどう排除され、またどう復権や協調を模索してきたかを論じます。第3章は、生きものとの生活や信仰、絶滅の問題を通じて、「役に立つか」だけでなく倫理の面から生物多様性を考え直します。第4章と終章では、過去から次世代への継承、持続可能な開発援助、SDGsを踏まえ、国境を超えた「三つの共生」へ議論を進めます。 

かなり縮めて言うと、**「生物多様性とは珍しい生きものを守る話ではなく、誰が自然の恵みを得て、誰が負担を押しつけられ、未来に何を残すのかを問う政治・歴史・倫理の問題でもある」**と読む本です。版元は、本書の到達点を「地球公共財をめぐる収奪・独占という利益第一主義を脱し、相利共生を実現する構図を示す」ことだと紹介しています。

 

続いて、大学や高校の入学試験問題や課題図書にも採用されていることから、ChatGPTに高校生向きの書評も聞いてみたのがこちら

概要
この本は、「生物多様性」とは何かを、ただ自然や動物を守ることとしてではなく、人間社会との関わりの中で考え直した本です。著者は、動植物や自然環境が、食料・薬・資源として利用される一方で、強い国や企業に独占されたり、先住民の暮らしが脅かされたりしてきた歴史を示します。そして、生物多様性を守るには、自然だけでなく、人間の権利や国際的な公平さ、未来の世代への責任まで考える必要があると述べています。

書評
この本のよい点は、「生物多様性」という言葉を、理科だけのテーマではなく、歴史・政治・倫理にもつながる問題として説明しているところです。ニュースでよく聞くSDGsや環境問題が、実は先住民の権利や国どうしの関係とも深く結びついていることがよくわかります。少し内容は硬めですが、そのぶん「自然を守る」とは本当はどういうことかを深く考えさせてくれます。高校生が環境問題を広い視野で学ぶ入口として、読みごたえのある一冊です。

 

スゴ〜イ‼️
著者も明確には意識していなかったテーマや視点まで指摘してくれている。

 

なるほど、学生さんがレポート作成にAIを使いたがるのも頷ける。

私が現役の大学教員の頃は、まだ生成AIが普及していなくて、学生レポートも検索結果のコピペ(コピー・アンド・ペースト)だった。
学生も検索結果の取捨選択や文体の統一など、それなりに努力を必要とした。
それをしない手抜きの学生レポートは、すぐにコピペを見抜くことができた。
今の大学教員は、生成AIのレポートの評価にずいぶんてこずっていることだろう。

 

書名の『生物多様性を問いなおす』は、出版社からの提案だが、「〜を問いなおす」は、「ちくま新書」の伝統的な書名のシリーズで私としても気に入っている。

しかし、「生物多様性」というキーワードのために、書店でも、図書館でも、自然科学(生物学)の書棚に収められてしまう。

著者としては、副題として加えた「共生」が隠れた(いや、真の)テーマでもあり、社会科学や人文科学の書棚にこそ置いてもらいたいところだ。

世界が分断と混迷を深める今のような時代こそ、多くの方々に読んでいただきたいと思う。

 

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これだけ生成AIが発達すると、いつの日にか人間の仕事を奪って、人間に取って代わってしまう心配も現実のものとなるだろう。
いや、すでにAIに職を奪われた人々や職種もあるようだ。

いずれにしろ、生成AIといえども拙著の全文を読み込んだはずはないので、読者の皆さまがSNSなどにアップした書評をまとめたに過ぎない。

 

AIの書評も、その基を辿れば皆さまの書評アップの賜物です!

もし機会があれば、書評アップをよろしくお願いいたします。

 

 

 

星条旗と国立公園 実録 9.11 in Hawaii

高市首相肝入りの「国旗損壊罪」創設議論が加速して、日の丸に注目が集まっている。

国民の祝日が続いた大型連休。
一体どれくらい国旗 日の丸が掲げられていただろうか。

国民が国旗に対して抱く感情、国旗への眼差し、国旗に対する振る舞いは、その時代、その場所、その民族により異なる。

国旗は、それぞれの国の歴史とそこに住む人びとの物語に根ざしている。
ずっと日本に住んでいる方には教科書上のことに過ぎないかもしれないが、海外に住んだことのある方には、この国旗に対する人々の感情や振る舞いを実感として感じたことがあるだろう。
いや、海外に住まなくても、オリンピックなどでは否が応でも国旗に特別な感情を抱かざるを得ない。

 

国旗に対する人々の特別な思いを私が実感したのは、ハワイでのこと!!

2001年7月から、ハワイのオアフ島にある米国連邦政府の研究機関、東西センターの客員研究員として赴任した。

オアフ島ホノルル 中央遠方の山がダイヤモンドヘッド

任期は1年と決まっていたので、家具の購入や退去時の処分の必要のない家具付きコンドミニアムを探した。

その結果、ワイキキにあるイリカイホテルの1室で、日本のマンションのように所有者のある部屋を探し当てた。
ベッド、テーブル、ソファーなどの家具やテレビ、食器などのほか、シーツやタオル、さらに(前住人が置いていった?)調味料や洗剤までもあった。

10階にある部屋の広いラナイ(ベランダ、バルコニー)の先には、大小様々な形態のヨットが係留されたヨットハーバーが広がっていた。

部屋から見えるヨットハーバー

早朝に出航するヨット

ラナイへの小さな訪問者

眼下にはプールがあり、プールサイドでは毎晩フラダンスショーが開催されていた。

眼下のプール

プールサイドでの毎夜のフラダンスショー

隣のヒルトンホテルでは、週末ともなると花火が打ち上げられた。
部屋からは隣のウイング棟が邪魔になり、音と夜空に点滅する光だけで、花火本体を観ることはできなかったけど。

 

世界中の人々の憧れのリゾート地ワイキキに住むことができるとは、夢のようだった。

ワイキキ海岸

 

 

しかし、わずか2ヶ月後の2001年9月11日、世界を震撼させた同時多発テロを境に、フラダンスショーも花火も全て中止となってしまった。


その日の朝、いつものように出勤のためエレベーターに乗ると、白髪の上品な老婦人が話しかけてきた。
なんでも、本土で飛行機の衝突事故が起きたらしい、というのだ。
私は、また事故かと思い、気にも留めなかった。

 

東西センターに到着すると、もともと節電のためのセンサースイッチで暗い廊下が、やけに薄暗く静まり返っていた。
出会った研究者も、今日は出勤する人が少ないね、と不思議がっていた。
まだ事態を把握していなかった私には、肯定する以外の返事は考えられなかった。

そういえば、バスセンターのあるアラモアナ・ショッピングセンターも、普段と違ってシャッターが閉まった店が多く、もの寂しげな感じだった。

ニューヨークの世界貿易センタービルなどにハイジャックされた飛行機が激突した同時多発テロが起きたのを知ったのは、夕方に帰宅してテレビニュースを観てからだった。

 

星条旗に対する米国民の抱く感情が如実に現れたのが、この9.11同時多発テロの時だ。
ラナイから見えるホテルの光景も一変した。

ちょうど日本の団地の布団干しのように、あちこちの部屋のラナイには星条旗が掲げられた。
街ゆく車も、サイドミラーや窓に大小の星条旗をたなびかせて走っていた。

東西センターは、州立のハワイ大学構内にあったが、連邦政府の研究機関であり、テロ攻撃対象となりうるとのことで、その後も厳重な警戒が続いた。
実際、炭疽菌らしき粉末が届いたとして、全員建物退去したこともあった。幸いイタズラだったようだけと。(米国本土では、炭疽菌バイオテロにより、死者も出た)

中止されたフラダンスショーも、1年後に帰国するまで、それが復活することはなかった。
テロを口実にした経費削減かとも思ったが、1年後の帰国の際になってもまだ厳しい空港でのセキュリティチェックを体験すると、どうやら単なる経費上の話ではなかったようだ。

 

ところで米国では、州ごとに法律や税制などがバラバラなのはよく知られている。
いわば州がそれぞれ独立国家のようなものだ。

米国のことを日本では「合衆国」と表すが、私は「合州国」の方が実態に即しているのではないかと思う。
実際、英名は ”United States of America” (USA)で、直訳すれば「合州国」や「連邦」となるのだろうけど、「合衆国」にもそれなりの理由があるとの説もある?

 

そこで、連邦政府は、外交や防衛などの国家として対処すべき事柄を扱っている。
そして、国家としてのまとまり、つまり統一の象徴として、国旗や国歌がある。

米国西海岸を旅行中、道路脇に星条旗が林立している町並みを通過した。
その時は気がつかなかなかったが、偶然7月4日、米国「独立記念日」だった。
そして、通過した町の名は、インディペンデンス。
そう、「独立」と名づけられた町だったのだ!

インディペンデンスの町の道路沿いに林立する星条旗
(ちょっと見えにくいけど)

 

日本の「建国記念日」の光景とはえらい違いだ。

そして、国旗に対する思い入れの結果として、ハワイで経験したように、外敵に対する一致団結の姿として、9.11同時多発テロ直後の星条旗の乱舞となるのだ。

 

最近でもテレビニュース画面では、イランやウクライナなどで外敵の侵攻に抗して集まった人びとの手に、国旗が翻っていた。
これが高じると、敵国の国旗を燃やしたり、踏みつけたりする行動にまで発展せざるを得なくなる。

国旗には、さまざまな、時には相反する、想いや信条が込められることもある。

 

国家の統一を示す象徴は、「国旗」や「国歌」だけではない。

実は「国立公園」も、そうなのだ。

「自由の女神像」や「ホワイトハウス」などとともに、内務省国立公園局(ナショナルパークサービス)が管理している。

国の統一の象徴としての国立公園誕生の話は、また別の機会に紹介したい。
拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)の第2章 地域社会における軋轢と協調 「国立公園の誕生と拡散」でも紹介しています。

 

いずれにしても、国立公園が星条旗と同じように国家統一の象徴とみなされているとしたら、日本の国立公園関係者としてはなんともうらやましい話だ。

日本の国立公園も、「我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地」(自然公園法第2条)ではあるけど、国家統一の象徴にまではなっていないからね。

 

トランプ大統領は、今まで自然の風景や野生動物などだった「国立公園年間パスポート」のデザインに自身の肖像を入れることにしたという。

これでは、「統一の象徴」どころか「分断の象徴」になってしまう。
この自己顕示欲は、どこまでいったら気が済むのだろうか。

でも、紙幣のワシントン(1ドル札)やリンカーン(5ドル札)などの歴代大統領肖像画に取って代わらないだけマシか。
いや、いずれそのうち・・・・????

と思っていたら、パスポート(旅券)にはトランプ大統領の肖像が入れられた、というニュースが入ってきた。
そのうち・・とは言っていられない?

 

ハワイの部屋から見た夕日は、テロも何もなかったかのように、真っ赤に染まって目の前のヨットハーバーに沈んでいった。

ヨットハーバーの先の太平洋に沈む夕日

空を染め上げる夕日

 

ハワイ名産のコーヒーは、ハワイ島のコナコーヒー。でもハワイ在住中は、もっぱら安価なLIONコーヒーを飲んでいた。
今でもたまにLIONコーヒーのフレーバーコーヒーを淹れてみる。その香りから、ハワイの懐かしい至福の日々が想い浮かばれる。

 

 

おまけ1

コマーシャルで有名な「この木なんの木」。
ホノルルの「モアナルア・ガーデン」にある「モンキーポッド」(マメ科ネムノキ属)という樹齢130年以上の大木。
でも、訪れる観光客は、ほとんどが日本人?!

私が訪れた時にも、数人の日本人観光客がいただけ。

この木なんの木? モンキーポッド

 

おまけ2

庭のヤマボウシが満開です。

満開のヤマボウシ

 

 

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火口湖と温泉のある聖なる山 リンジャニ山国立公園(インドネシア) ー世界の国立公園(3)

日本で有名なインドネシアのバリ島。
その東隣の小島、ロンボク島には、俗化したバリ島では失われた手付かずの自然や風習などが残っている。
近年では、バリ島の人混み、交通渋滞や騒音などを避けて訪れる観光客数も増加している。

バリ島とロンボク島の間は約50km(狭いところで34km)しか離れていないが、両島は深い海溝(ロンボク海峡)で隔てられている。

この海峡が、西側のアジア大陸と同じ東洋区と東側のオーストラリア区の動物分布を分ける「ウォーレス線」となっている。

ちなみに、人間の社会文化も、ヒンズー文化のバリ島とイスラム文化のロンボク島と別れている。

とは言っても、ともに(インドネシア全般もそうだが)宗教伝播前の土着信仰や伝統的な生活風習が色濃く残っており、日本と似通ったところがある。

 

ところで、リンジャニ山(Gunung Rinjani)は、ロンボク島北部にそびえるインドネシア第三位の高峰の活火山である。

標高は、3726mというから、日本の富士山(3776m)よりちょうど50m低いことになる。富士山ほどの秀麗さはないが、火山性の独立峰のため、島の多くの地点、さらには近隣のバリ島などからも、その姿を望むことができる。

 

リンジャニ山の山蓉(スンバルン側から)

まさにロンボク島のシンボル的存在だ。そして、島の人々(ササック族)からは、古くから聖なる山として崇められてきた。

そこには神が宿ると考え、林産物などの利用その他で入山する際には、神に入山の許しを得る儀式を行っていた。
リンジャニとは、古語で「神」を意味するという。

 

そのリンジャニ山を中心とする41,330haの地域が、1997年に国立公園に指定された。

山全体は、亜高山性の熱帯林から高山植生、サバンナなどの植生タイプに覆われているが、山頂域は火山礫に覆われ、エーデルワイスの一種(ウスユキソウやヤマハハコの仲間?)をみることができる。エボニー・リーフモンキー、ホエジカ、センザンコウ、カンムリワシなど、固有種を含む多くの動物も生息している。

エーデルワイスの1種?
群生するエーデルワイスの1種?

ノボタン 熱帯林内でよく見かける

エボニー・リーフモンキー(藪の中だが、白色のたてがみが見える)

カニクイザル(ゴミをあさりに)

 

山頂クレーターには、大きな火口湖であるセガラ・アナク(Segara Anak)湖がある。水面標高は約2200mで、硫黄分を含んでいる。

また、湖近くには、温泉が川となって流れ出ており、登山者は温泉浴気分を味わうこともできる。
この湖に接して、1990年代の数度の噴火により隆起した溶岩ドーム、新火山(Gunung Baru)がある。

 

火口湖セガラ・アナクとリンジャニ山頂(湖右側に新火山)

新火山の溶岩ドーム(手前)

滝になって流れ落ちる温泉に興じる登山者



この聖なる山も、現在はトレッキングコースとして、インドネシア各地からの若者だけではなく、世界中からのトレッカーを魅了している。

地元社会への利益還元と自然保護のため、国立公園当局と地元とで、リンジャニトレック管理委員会を立ち上げ、リンジャニトレックセンターを運営して情報提供などを行っている。

登山(入山)のためには、国立公園入園料のほか、このトレックセンター運営協力費を支払い、地元ガイドあるいはポーター(荷物運搬)を伴わなければ登山できない規則となっている。

これも、地域社会の経済向上と自然保護の両立というエコツーリズムの趣旨でもある。運営協力費は、清掃や遭難救助などに充てられている。

 

国立公園管理事務所

入園タグ(リュックに下げた)

トレッキング客の荷物を運ぶ地元住民ポーター(伝統的な運び方?)

 

ロンボク島の隣のバリ島にも、アグン山があり、やはり信仰対象となっている。
富士山も同様、人々の生活を見守り、多くの恵み(山の幸)を与えてくれる山は、地元の人々の信仰の対象であり、聖なる場所でもある。

いつまでもこの聖なる山を汚すことなく、国立公園の利用と地元の人々の生活が続くことを祈りたい。
 

アグン山(バリ島)(左のシルエット)と日没(スナル側ルートより)

 

このリンジャニ山トレッキングの詳しい様子は、後日に別途の記事としてアップの予定。

 

本記事は、2012年の調査時での情報をもとにしています。現在では状況が異なる場合もありますのでご了承ください。

 

拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)にも、リンジャニ山のトレッキングとガイド・ポーターなどについて紹介しています。ご関心のある方はどうぞ。
第2章 地域社会における軋轢と協調 第3節 植民地の残影から脱却するために 「エコツーリズムと地域住民」

 

本ブログの「世界の国立公園」シリーズ記事

bio-journey.hatenablog.com

 

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咲き急ぐ花たち

22年前、スペインを旅行した時、長く在住している日本人ガイドさんがこう言った。
「スペインには、日本と違って、夏と冬しかありません。」

その時には、ガイドさんも私も、日本には春夏秋冬の四季があると信じて疑わなかった。

しかし、最近は地球温暖化の影響か、日本でも冬と夏の二季しかないような季節が続いている。

かつては、春の間に順番に咲いてきた庭の花たちも、このところの短い春に乗り遅れないよう咲き急いでいるようにみえる。

庭は華やいで綺麗だけどネ。

 

皆さんの花ブログを楽しませていただいてます。
私も、今が盛りの庭の花々をアップすることにしました。
実は先週撮った写真ですが、用務や発熱などのため、花によっては撮影時の盛りを少し過ぎてのアップとなってしまいました。ご容赦願います。

 

雪を被ったようなナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)
フジ 花を酢漬けにして



 

 

ツツジも色とりどり
ヤマブキ
テッセン


林床というか地表部にも、可愛い花々がたくさん咲いている。

エビネとシャガ
シラン(紫蘭)とカラー
アジュガとタツナミソウ(立浪草)
シラユキゲシ(白雪芥子)とイングリッシュ・ブルーベル

 

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今こそ!他者への思いやり エピローグ幸せの国から

しばらく前(2026年2月6日)の朝日新聞「声」欄にこんな投書が載っていた。

 

優しさも売っている沖縄の商店
「年に数回訪れる沖縄で、沖縄料理用のにんじんスライサーを買おうと小さな店に入った。すると、店の人が「これよりも違うタイプの方が使いやすいわ。うちでは切らしているけど、あちらの◯◯さんに売っていますよ」と丁寧に教えてくれて、感動した。お店同士が仲良く助け合っているのがよく分かった。思わず最初の店に戻り、「さんぴん茶」を購入。小さな商店は商品のみでなく、優しさも売っているような気がした。」(以上、要約)

投書の主は、神奈川県のピアノ教師 田代朝美さんだ。

私も、ブータンで、田代さんと全く同じような経験をした。

研究発表のためにブータンを訪れたのは、2014年6月のこと。
学会が開催されたのは、ブータン中部ブムタン地方の小さな町チャムカル。

 

ブータンには、かつての要塞で、現在は寺院、時には役所としても使用されている「ゾン」という巨大な建造物や「ラカン」あるいは「ゴンパ」と呼ばれる寺院などがいたるところにある。
それらの詳しい紹介は、観光ガイドブックに譲ることにする。

最も有名な寺院のひとつタクツァン僧院 (虎の巣)(パロ渓谷)

 

ブムタン地方にも多くの寺院がある。
敬虔な仏教徒の国ブータンでは、寺院に参拝する人も多い。

 

 

参拝する人々 ジャンパ・ラカンにて


学会開催地のチャムカルは、チベット難民により形成された町とのこと。
新市街地への移転が決まっていたが、訪問3年前に起きた火災後も同じ場所に再建されてしまったとか。
新市街地は、街路灯もある区画された町だが、家もなく草が生い茂っていた。(現在の状況は不明)

チャムカルの商店街

商店の窓にレースのように掛けられているのは、名物の乾燥チーズ。
無理して食べて歯医者のお世話になった日本人JICA専門家も多いとか。

乾燥チーズ(スダレのような白い塊)

 

下校する子どもたち

 

学校から下校する児童たちの制服は、伝統衣装の「ゴ」(男性用)と「キラ」(女性用)。
リュックを背負い、手には弁当の手提げカゴが定番?

 

子どもも多いが、犬も多い。

 

路上で昼寝する犬たち

 

チベット仏教のおかげで殺生される心配のない犬たちは、道路上でのんびり昼寝。
車に轢かれやしないかとこちらが気をもむ。

 

読経を聴く犬?


中には、お寺でしっかりとお経を聴く犬も?

 

先の投書とそっくりの経験とは・・・

学会発表の合間を縫って、チャムカル周辺に点在する寺院を巡ることにして、弁当代わりにパンを買おうと思い小さな商店に入った。

翌日の昼に食べたいが大丈夫か尋ねたところ、「このパンは昨日入荷したものだから、大丈夫。でも、明日食べるのなら4軒先の店には今朝仕入れたパンがあるから、そちらで買った方がよい」との返事。

 

件の投書の主、田代さんは、沖縄での体験で、「お店同士が仲良く助け合っているのが分かる。優しさも売っているような気がした。」との感想だった。

私は、「自分の店の営業、つまり経済性を度外視して、客の満足を優先する」、この態度に感激した。
これが、自分も他人も、皆の幸せにつながるのだろうと思った。

 

これぞ、まさに『幸せの国』の真髄を実感した瞬間だった。

 

田代さんは、元の商店に戻って「さんぴん茶」を購入したというが、私も元の店で追加のお菓子を買ったのは言うまでもない。

 

そしてこの体験こそは、拙著『生物多様性を問いなおす』(ちくま新書)で副題にも掲げた「世界・自然・未来との共生」を実現するための他国や他地域、そこで暮らす住民たち、さらには生きとし生けるものたちを思いやる心が具現化されたものと考える。

そこで、著作の最後に「エピローグ 幸せの国から」として、このエピソードを掲げた次第。

それにしても、なぜ沖縄やブータンで、東京やニューヨークではないのだろう。


こうして購入した、幸せを感じるパンとお菓子を携えて、寺院巡りをした。

 

クジェ・ラカン(ブムタン)近くの寺院

寺院内部の写真撮影はできないが、巨大な仏像の前などでは、ついついブータン式のお祈り(しゃがんで、膝とおでこを床につける)をしてしまう。
これも、心休まる一時、幸せの気分か。

 

 “いたるところに”と言えば、「マニ車」もいたるところにある。大きさや形状も多様だ。
内部にはお経が収められていて、回すと経文を唱えたのと同じ功徳があるという。
ちなみに、ブータンではチベット仏教の影響で、時計回りが基本とか。

手に持つ小さなマニ車を回しながらという人もいる。

寺院の外壁にはマニ車がずらりと並んでいて、拝観前にはこれを回す。

寺々にあるマニ車

寺院でなくとも、清水の湧き出るところにはマニ車が設置されていて、水車で自動的に回るようになっているものも多い。

巨樹の根下のマニ車は水車で回る タムシン・ゴンパ(ブムタン)にて

寺院などの巨大なマニ車は、一回りするたびに鐘がなる仕組みになっている。
海辺の波の音のごとく、繰り返す音色は心を穏やかにする。

 

マニ車の鐘の音だけではない。

寺院の屋根軒に吊るされた無数の風鐸が、草原を渡ってくるそよ風とともに何とも言えない音を奏でる。

それはそれは、心休まる音だった。極楽とはこんなところかと思うような気分になった。

 

ところで、米・イスラエルとイランが2週間の停戦に合意したという。
石油価格の値上がりなど、私たち日本の日常生活にも直結した戦争によって、目下の最大関心事となっている。

一方で、ウクライナやガザの戦乱と人びとの犠牲は、すっかり忘れ去られたような気配さえある。
アフリカでの戦乱や飢餓は、話題にさえ登らない。

 

今こそ、他者への思いやりを!!

 

チャムカルの子どもの笑顔

そして、チャムカルで出会った子どもたち、会ったこともないガザやウクライナ、イランなどの子どもたち、世界中の子どもたちの笑顔が未来永劫に続くことを祈らざるを得ない。

祈るだけでは、容易過ぎるかもしれないけど。

せめて、土産のマニ車でも回してみようか。

 

 

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ハキリアリからホエザルまで エコツアー大国のラ・セルバ生物保護区とサラピキ川(コスタリカ) ー 世界の国立公園(2)

前回のバコ国立公園(マレーシア)に続いて、国立公園シリーズの第2弾。

 

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国立公園ではないけれど、コスタリカの自然保護区、ラ・セルバ生物保護区とサラピキ川の動物を観察するエコツアーへご招待!!

中米の小国コスタリカ(コスタ・リカ:スペイン語で富める海岸の意)は、軍隊を持たない平和国家として有名だ。

小国であるが故に有望な天然資源もなく、大きな産業はないが、コーヒーやバナナで有名。
温暖な気候を利用した切花栽培も盛んで、日本にも輸出されている。

そんなコスタリカで外貨獲得の主要産業として力を入れているのが、「エコツーリズム」だ。
世界でもエコツーリズムの盛んな国、エコツーリズム大国として知られている。

その基盤は、ウミガメが産卵する海岸線から、年中霧に覆われている雲霧林、高温多湿の熱帯雨林、逆に降水量の少ない乾燥林、そして多くの火山などの多様な生態系で、国土の約3分の2が国立公園や自然保護区に指定されている。

山頂付近が年中霧に覆われている雲霧林

 

高温多湿の熱帯雨林

林床にはテキーラの原料にもなるリュウゼツラン類が生育する乾燥林

国立公園に指定されているイラス火山3432m

日本では動物園でしかみたことのないペリカンが舞う海岸

 

そんなコスタリカの中から、今回は首都サンホセの北およそ100kmに位置する「ラ・セルバ(La Selva)生物保護区」と「サラピキ(Sarapiquí)川」をご紹介。

ラ・セルバ生物保護区は、米国の大学を中心とした国際的な熱帯研究機構(OTS: Organization for Tropical Studies)によって所有・運営されている約1500haの熱帯林で、いわば大学演習林のようなところだ。

地区内には、食堂棟を中心に研究者の宿泊棟や研究棟などが点在している。
私は、研究のために1992年と2002年の2回訪問したことがある。

研究棟(左)と研究者用ケビン(右)

 

地区内の熱帯雨林には散策用の歩道も整備されていて、研究者だけではなく、一般の訪問者も受け入れており、多くの動植物を観察することができる。

テレビの自然番組でもお馴染みのハキリアリは、葉っぱを切り取って巣に運んで食糧のためのきのこ栽培をすることで有名だ。

葉を噛み切って巣まで運ぶハキリアリの列

 

イチゴヤドクガエルとマダラヤドクガエルは、先住民が吹き矢で樹上のナマケモノなどの動物を捕獲する際に、表皮の毒を使用することで知られている。

イチゴヤドクガエル(左)とマダラヤドクガエル(右)

巨大ネズミの仲間アグーチ

道路に出てきたハナジロハナグマ

フクロウのような擬態で身を守るペレイデス・モルフォ蝶

 

サラピキ川は、このラ・セルバに隣接した河川で、ボートによるエコツアーが行われている。

ボートのオーナーは、一日中ハンモックで優雅に過ごしている。羨ましい!?
ちなみに、ハンモックは1000年以上前のラテンアメリカが起源とか。

一日中ハンモックで?

 

周囲にはエコロッジなどと称されるコテージが数軒、熱帯雨林の中に整備されている。

熱帯林内のエコロッジ

そのうちの1軒に宿泊し、ボートオーナーのようにベランダのハンモックに身を沈めてみた。せっかくの大自然の中でのゆったりとした時間だったけど、都会生活に毒された私には残念ながらもったいないと思ってしまう時間。

ハンモックに身を沈めてみた

そしてハンモックから双眼鏡を手に林内を観察した。
そこで遭遇したのが、嘴の大きいオオハシの1種、レインボー・トゥカーンだ。

オオハシの1種レインボー・トゥカーン

 

それでは、いよいよボートに乗船して、サラピキ川エコツアーに出発進行!

 

早速、薮の木にカラフルな鳥カワセミの1種を目撃。
同じ木の枝には、イグアナも。

カワセミの1種(左)とイグアナ(右)

そして、川岸の水辺には、アリゲーター科のカイマンとクロコダイル科のクロコダイルが(特定の種名は不明)。
ワニ皮としては、クロコダイルの方が高級とか?

カイマン(左)とクロコダイル(右)

 

さらに、大声がするので見上げると、その名のとおり真っ黒いホエザルが吠えている。
初めは気が付かなかったが、慣れてくるとあちこちの枝枝にホエザルがいるのが認識できる。

写真では見にくいが、黒い塊のホエザルがあちこちに

こんなに野生動物が豊富なサラピキ川のエコツアーだけれど、とても自分だけでは発見できない。
ガイドさんが教えてくれてこその醍醐味だ。

残念ながら、ジャカーやピューマ、そして火の鳥のモデルにもなったケツァールには遭遇できなかったけれど(樹上のナマケモノは見ることできたけど、写真には撮れなかった)。

産業が未発展な途上国などでは、ガイドなどエコツーリズムに従事することにより経済的恩恵を受け、それが燃料や食料などを保護区の自然に依存しないで生活することを可能にし、地域の自然保護にも寄与することになる。

エコツーリズムは、日本では主に自然にやさしい観光形態として知られているが、国際的な保護地域管理の分野では、地域社会の経済発展と自然保護を結びつける手段としても位置付けられている。

「エコツーリズムの誕生」や「エコツーリズムと地域振興」について詳細は、例によって拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)をご覧ください(122〜128ページ)。

なお、この部分は、2023年度の立教大学観光学部の特別入試、小論文問題に採用されました。
出題文章を読んで、エコツーリズム発展の経緯をまとめるとともに、エコツーリズムに対する自分の考えを述べよ、というもの。

 

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巨樹アンケートへのご協力、ありがとうございます。

「2026巨樹カレンダー」贈呈の数量が少なくなってきました。

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テングザルと食虫植物の天国 バコ国立公園(マレーシア) ー 世界の国立公園(1)

今日のブログは、国立公園の生きものの写真が盛りだくさん‼️

これまで国立公園管理の研究で世界各地の国立公園を訪問した。
国立公園の成立、成立時の先住民・地域住民の追放と復権、日本と海外の国立公園の違い、エコツーリズムなど、語りたいことはたくさんあるけど別の機会に。

今回は写真アップを優先。
300ミリ望遠レンズなどを背負って山野を歩き回ったのは、遠い昔のフィルムカメラの時代。
今回の写真はスマホカメラで、おまけにブログ用に容量縮小しているのでご容赦を。

 

まずは、昨年まで研究のために数年間通った世界第3位の大きさのボルネオ島の「バコ(Bako)国立公園」から。

ボルネオ島北側(地図の上側)の3分の1ほどが、マレーシア領のサラワク州(西側)とサバ州(東側)、その間にブルネイ王国、そして南側(地図の下側)3分の2ほどがインドネシア領で、こちらではカリマンタン島と呼ばれ、東・西・南・中のカリマンタン4州がある。

バコ国立公園は、このサラワク州の中で最古、マレーシア国内でも2番目に古い国立公園(1957年指定)だ。

州都クチンの約30㎞北東に位置し、街中から最も近い国立公園の一つで、外国人観光客にも人気のあり、外国人利用者数は州内国立公園で一番多い。

 

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面積は2,727haと小さいが、公園内には、哺乳類37種、鳥類184種など動物も多く、なかでもテングザルは世界中でボルネオ島だけに生息しているもの(固有種)だ。

テングザル

また、ウツボカズラの仲間などの食虫植物も多い。

ウツボカズラ類

 

クチンから近いとはいえ隔絶された半島部に位置し、国立公園を訪問するにはボートを使って海岸部から上陸するしかアクセスはない。

クチンから車で1時間弱ほどのバコ村のボート乗り場(バコジェティ)でボート料金と国立公園入園料を支払い、入園登録を行う。
入園登録は、事前にウェブからでもできるし、その場でQRコード読み取りのスマホ登録もできる。

 

入園料は、外国人は日本円で約1000円弱、マレーシア住民は半額だ。このような料金設定は、途上国では一般的だ。ボート料金は、乗船人数により流動的。

桟橋からボートで約30分で国立公園へ。

国立公園へのボート

 

海岸沿いには、様々な形の岩も点在。シンボル的な奇岩「シースタック」はモンスーン大波で崩壊とか(未確認)。

奇岩シースタック 2023年9月撮影

 

潮位が高い時には桟橋に着岸できるが、低い時には膝くらいまで海水に浸して歩いて砂浜に上陸して、管理事務所で登録確認などの手続き。

管理事務所も併設されているレストラン棟

管理事務所や食堂、宿泊所などが集中する地区では、雑食性のヒゲイノシシが群れている。
ヒゲイノシシは、名前の通り、もみ上げからあごにかけて(?)立派なひげをたくわえている。

ヒゲイノシシ

 

海岸沿いの泥地にはマングローブ林。
マングローブは、海水と淡水の混じり合う汽水域に生育する植物の総称だ。
ここでは、アイスピックのような呼吸根を地中の根から出しているペダダPedada(Sonneratia種)や、よく似たアピアピApi-api(Avicennia種)、タコ足のような根のバカウ(Rihizophora種)が中心だ。

マングローブ林 歩道も整備されている

 

このマングローブの砂浜には、シオマネキなどのカニ類や魚貝類もたくさん生息している。

コメツキガニの一種(?)は砂団子作りが得意?
巣穴の周囲に団子で放射状の幾何学模様を描く。

カニと巣穴模様

 

その名もカニクイザルの群れが海岸でカニを餌として、食事後に森に戻る光景を何度も目にした。

海岸から森に帰るカニクイザルの群れ(左)カニクイザル(右)

 

国立公園内には、このカニクイザルのほか、シルバーリーフモンキー、固有種のテングザルの3種の霊長類が生息している。

バコ国立公園には何度も足を運んでいるが、こんなに間近でテングザルを見たのは初めて(2025年9月)。

シルバーリーフモンキー(左)と地上を歩くテングザル(右)

 

さらに、「サル」と名付けられているが霊長類ではなく皮翼目(ヒヨケザル目)に属する哺乳類で、モモンガのように滑空する夜行性のヒヨケザルも生息している。

ヒヨケザル

 

公園内には、何本かの歩道(トレイル)が整備されていて、トレイル以外は立ち入り禁止だ。
それでは、食虫植物が生育する地域へご案内しよう。

国立公園のある半島部は、海岸からすぐに切り立った砂岩の台地になっている。
海岸からは急な山道を登ることになるが、公園内の歩道は全般的によく整備されている。

 

整備された歩道


歩道横の茂みには、マムシの仲間の毒蛇、緑色のクサリヘビ類も!!!

クサリヘビ?

登りつめると、砂岩と珪酸土が雨で洗われた奇妙な光景が目の前に広がる。

砂岩と珪藻土の台地

 

土壌の栄養分が乏しいこの辺には、自ら栄養を採取するウツボカズラ型の食虫植物が何種も生育している。

地面に顔を出している緑茶色のは、横に置いたボールペンと比べればその大きさが実感できる。

地面のウツボカズラ

 

地面からでも、緑の小さな(数センチ)ものもある。
さらに、地面からではなく、枝から垂れ下がっているものも。

 

 

様々な形態のウツボカズラ類

 

動植物を堪能したら、多くの訪問者はまたボートで引き返すが、公園内には宿泊施設もある。
早朝や夕方に活発に活動する生きものの観察には、宿泊した方がチャンスが高くなるのは言うまでもない。

ロッジも各種

 

共同のトイレ・シャワーの大部屋棟やトイレ・シャワー・エアコン付きのロッジもあるが、どの部屋のシャワー水も茶色く色付いているのでご用心。

これは、熱帯雨林の植物が完全に分解されずに堆積して形成された泥炭地を水が通る際に、植物由来の有機物(タンニンやフミン酸)が溶け出した結果だ。

タンニンなどが溶け出して赤茶色の渓流

大自然の中で夜を過ごし、朝を迎えたいと思う人以外は、果たして満足できるか心配だ。
西欧人は、意外と気にしないようでロッジ宿泊利用者も多いけど、日本人は少ないみたい。

私は、長年のインドネシアでの落ち葉や虫の混じった貯水でのマンディ(水浴)に慣れていて、気にしないけどね。

茶色い水は嫌だと、川や海で水浴びをするのも厳禁。
ワニが生息している。 ご注意を!!

遊泳禁止の注意看板

おまけで、帰りのボートから見つけたカワセミ(Kingfisher)の仲間。

ネットで調べたら、チャバネコウハシショウビン(羽が茶色で、くちばしが紅から名付け?)らしいけど、詳しい人に教えてもらいたい。

チャバネコウハシショウビン?


国立公園の成立、成立時の先住民・地域住民の追放と復権、日本と海外の国立公園の違い、エコツーリズムなど、気になる方は拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)をご覧ください。