みどりの旅路

実務と研究から自然と文化をたどる共生論・多様性論

読書

上橋菜穂子『香君』を生物多様性の視点で読んでみた(3)

上橋菜穂子さんの『香君』について、 第1回では、ウマール帝国がオアレ稲の配布を通じて、飢餓に苦しむ周辺国を属国として支配してきた、その支配構造と源泉について生物多様性の視点から紹介した。 それはまさに、品種改良の結果生み出された多収量品種よる…

上橋菜穂子『香君』を生物多様性の視点で読んでみた(2)

前回に続いて、上橋菜穂子『香君』を生物多様の視点から読んでみると・・・ ウマール帝国は、神授の稲オアレ稲によって属国を支配してきた。その支配構造と源泉は、現代の多国籍アグリビジネス企業のビジネス戦略とそっくりだということを前回の記事で示した…

上橋菜穂子『香君』を生物多様性の視点で読んでみた(1)

ご訪問いただきありがとうございます。いつもながら記事更新もできず、たいへんなご無沙汰でした。 1月には昨年9月・11月に続いてまたサラワク・クチンを訪問。 bio-journey.hatenablog.com でもその間に、上橋菜穂子さんの『香君』(上下)(文藝春秋)を読…

『生物多様性を問いなおす』書評と入試問題採用 (更新)

ブログを書いていると、正直なところ読者の反応が気になる。 私はこのブログ以外のいわゆるSNSはやっていないが、読者の皆さんの中には多くのSNSを駆使している方も多いことだろう。そして、バズることを期待している方も多いことだろう。 私も、このブログ…

オオカミ信仰 関東最強のパワースポット三峯神社

「ニホンオオカミは犬との混血?」記事で、三峯神社などでのオオカミ信仰について記事を書くことをお約束してからからほぼ1か月が経ってしまった。 そこで、この記事では、「人間と野生動物」の関係の視点から、オオカミ信仰をみてみよう。そして、三峯神社…

続 光るメダカで逮捕者 ―遺伝子組換えとカルタヘナ法

光るメダカの飼育と販売で逮捕者が出たことから、前回記事では遺伝子組換え生物やその取扱いに関する国際条約に基づく「カルタヘナ法」について取り上げた。しかし、途中で息切れして(というか、あまり長文のブログもどうかとも思い)カルタヘナ法にまでた…

ニホンオオカミは犬との混血?

NHKテレビ「ダーウィンが来た!」で「解明!本当のニホンオオカミ」(2023/2/19放送)を観た。 120年ほど前に絶滅したニホンオオカミ。残されていた標本は、実はイヌと交雑したものだったと判明した、というものだった。 目次 ニホンオオカミの標本 最後…

『生物多様性を問いなおす』書評と入試問題採用

ブログを書いていると、正直なところ読者の反応が気になる。 私はこのブログ以外のいわゆるSNSはやっていないが、読者の皆さんの中には多くのSNSを駆使している方も多いことだろう。そして、バズることを期待している方も多いことだろう。 私も、このブログ…

生物多様性って何? ブログ再開の辞

15年間の「生物多様性」ブログ 私は15年前からブログで、生物多様性、世界遺産・国立公園、巨樹・巨木などについて発信してきた(「人と自然」so-netブログ、現ssブログ)。 ブログ開設の目的の一つが、生物多様性について、多くの人に理解してもらいたいと…